第5章 『食事』
私は金木の喉に五芒星を描いた。
そして自分の口に刀印を結んで添え、呪文を演唱していった。
すると金木の喉の呪印が淡く光ってきたと同時に私の喉も淡く輝き始めた。
そのままの状態で私は演唱を続けていった。そして唱え終わると光も収まり元の状態に戻っていた。
呪印は黒色から白色に変わっていた。
「よし、終わったよ。
術は成功してるけど何か体に変わったところはない?」
「うーん、何もないと思うけど…わからないよ」
(喉の所がかわってるんだよね?)
自分の体をキョロキョロと見回しているが、私からしたら特に何も無いように見えた。
「おい、金木。本当に何もねぇのか?」
「大丈夫かい?」
「あ、はい。大丈夫です」
まだ少し体を気にしているが2人にはそう答えていた。
「それじゃあ金木君ご飯食べてみて?
これのためにちゃんと金木君の好物を持ってきてるから!」
そういってまたしても鞄をゴソゴソ探ってスーパーの袋を取り出した。
そしてその中身はレンジで温める式のハンバーグだ。
「あ、ハンバーグじゃないか…!」
(でも、本当に食べれるのかな…。一度食べた時は酷い味がして食べれたものじゃなかった)
私は金木に見せたあと、早速レンジでハンバーグを温めてお皿に盛った。
「はいどうぞ!食べてみて?
一応鼻も繋げたから匂いも大丈夫だと思うから!」
そう言って美味しそうな湯気が立ち昇っているハンバーグを金木の目の前に置いた。