第5章 『食事』
トーカちゃんはそう言って去って行った。
それからしばらくはコーヒーを楽しみつつチョコブラウニーを食べてみた。
予想以上に美味しくてびっくりした。
味見をしてるはずがないのに何でこんなに美味しいものを作れるのか謎でずっと考えてたらいつの間にか時間が経ってたようで、店の客は殆どいなくなっていた。
今日はいつもより早く店を閉じるみたいだ。
私は店の片付けが終わったマスターに呼ばれ、奥にあるスタッフルームに案内された。
「お疲れ様、金木君。何回かカップ落としかけてたけどなんとかなってたねw」
「えっ!見てたの!!」
「暇だったからね〜」
金木は少し唸りながら恥ずかしいのか私に背を向けて顔を手で隠した。
そんな金木を放置して私はマスターに向き直った。
「マスター、いつ練習は始めるんですか?」
「直ぐに始めるよ。もう準備できたからね」
そう言ったマスターの手にあるのは美味しそうなサンドイッチだ。パッと見た感じはレタスとハムが挟まっているみたいだ。