第4章 『正体』
私は襲いかかってくる奴らを次から次へと蹴散らしていった。
「ふぅ、これで全部かな?」
(久々にこんなに沢山相手したや。やっぱり血がでちゃったらこうなるんだね)
グルリと周りを見回した。
私の周りに数十体もの妖の亡骸が積み上がっているだけで、もう動く影はなかった。
「っすごい」
「ありがとう。それじゃあ結界は解きますね。
壊れたものや壁は結界を解いたら元に戻っているので」
パンッ!
そう言って柏手を一つ響かせた。
するとさっきまで半壊していたカフェの内装や家具は元に戻っていた。
「落ち着いたようだし君のことを話してくれるかい?」
(この子は変わった子だね。私達を守っても得することは何もない。
やはり人は面白いね)
「わかりました」
私は頷き話し出した。
ここに襲ってきたのは世間一般で俗にいう『妖』とか『悪魔』と呼ばれているやつらだとうこと。
そして、私はそんな奴らを祓う『陰陽師』だということを話した。
「私の家は平安時代からずっと陰陽師を家業としているの。
私は安部家直系の娘、そして今は安部家当主として陰陽師をやっています。
先祖では安倍晴明が有名ですよ?」
「!本当に?あの安倍晴明の子孫なの?」
(本でしか読んだことないけど…あれだけの能力を見せられてるから信じられる)
「陰陽師とは、さっきのようなモノを祓う事が仕事なのかい?」
「はい、そうですね。
でも、それしかしない訳ではないですけど」
「なら、君は私達を祓うのも仕事の一環じゃないのかい?」
(さて、この子は敵か味方か…)