第4章 『正体』
私はそう言って直ぐ様この部屋に結界を張った。
「は?どういうことだよ?なんもねぇじゃん」
「陽菜ちゃん、何がどうなってるの?」
「ごめん、説明は後!!かなりの数が来てる」
そう、金木を含むここにいる人たちにはこの部屋がいつもの部屋にしか見えていない。
だけど私は違う。
私の眼には無数のあいつらが映しだされている。
「金木君、私の手を握ってみて?」
差し出した手に金木は手を重ねた。
すると、
「うわぁ!!コレは一体っ!!!」
(なんだこれ!化物!?)
金木の目にも映ったようだ。
「視えたみたいにだね?」
そして、マスター達にも「私達にも見えるようにできるかい?」と聞かれたので金木にしたように手を握ってもらった。
「…!これは、初めてのお客だね」
「何?こいつら」
初めこそ驚いていたが全く恐怖は感じていないようだ。
「あれはね、『妖』とか『悪魔』とかって呼ばれている類いのもの。
ここにいる一体一体はそれはもう弱いんですけど、これだけ数がいたら結構骨が折れます。
なんで皆さんのことちゃんと守り切れるかわからないので攻撃してきたら避けまくって下さい。
そちらに向かわせるつもりはないですけど!」
私は3人を背に隠し、刀印を結んだ。