第4章 『正体』
私は扉の影からでて金木が落ち着くのを待っていたが、落ち着くのを通り越して金木の顔が青白くなって行ったから急いで近づいた。
「うわ!ちょっと金木君!顔色が大変なことになってるよ!!
まだ何処か体調が悪いの?」
近づいて金木の身体をペタペタと全身を触っていった。
「え、えっ!ちょっと待ってくれ!
身体は大丈夫だから!…それより……」
言葉を途中から濁して金木は不安に染まっている瞳を私におずおずと向けて来た。
私はそれで何を不安に思っているのかを悟った。
「金木君、そんなに不安そうにしなくても大丈夫。私はあなたが喰種だからって恐がったりも離れたりもしない。」
(そもそも、知ってたし。)
真っ直ぐに金木の目を見て安心させるように言った。
「…ありがとう」
まだ不安は残っているようだけど大分いつもの金木に戻ってきているように感じて私もホッとした。
「金木、お前じゃそいつは殺せねぇよ」
いきなり壁際に立っていた少女が声をかけてきた。