• テキストサイズ

灰色の人間

第4章 『正体』






「…っ」
(ここは…どこなんだ?)





ガチャ





「目が覚めたかい?」



扉から金木もよく知るマスターが姿を現した。




「ここは…『あんてぃく』ですか」





ほとんど確信しているようだが金木の目は不安に彩られていた。


「そうだよ。金木君、何処か痛むところはあるかい?」


マスターは穏やかな口調で問いかけた。




「な、何もないです…。何もなさすぎるんです。
さっきまであった“飢え”も“空腹”も感じられないんです!!


一体、何が…」


「その理由は君が一番わかっているだろう?」


「っ!」




マスターのその一言に金木は息を詰まらせた。




そして、金木は口を手に入れ、胃の中のモノを吐き出そうとした。





そこに、


「待って、そんなことしないで」


その声は扉の影から聞こえた。




「その声は…陽菜、ちゃん…?
どうして、こんなところにいるんだ?!」




声でそこにいるのが私だとわかると目を見開き、大きく動揺していた。









/ 132ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp