第12章 『本性』
そして、次の日…
私の大学のロッカーに一通の手紙が入っていた。
「っ!!!!」
(ウソ…!)
それを呼んだ私は慌ててあんてぃくへと向かった。
「ハァハァ…金木君っ!!
この手紙……!!」
息を切らしながらも着くなり私は金木の腕を掴みながら手紙を見せた。
「陽菜ちゃんのところにもきたの!?!?」
(…僕の所為で陽菜ちゃんまで目をつけられた……)
「も、ってことは金木君にも来てるんだね…。」
私は腕を握る力を弱めた。
「…陽菜ちゃん……。ここには僕一人で行く。」
(これ以上はダメだ。陽菜ちゃんがいくら強くても相手は喰種…しかも月山さんだ)
「は?今更何を言い出すかと思ったら…!
1人で何て行かせない。それに、貴未さんが狙われたのは私と会ったからだよ…。それなのに私一人安全な所にいろって?
ふざけんな!!」
グシャリと手紙を握り潰した。
私は八つ当たり気味に言ってしまったことを少し後悔しつつもあんてぃくを出ようとした。
「待ちな。」
「何?」
(トーカちゃん…)
「あんたら二人がかりでも月山の野郎にやられるぞ。」
「…相手が1人なら、負けることはないよ」
(あいつが誰かと協力して私達を殺そうなんて思うわけがない。…あの時の目……スクラッパーを殺したのは珍しい食材を一人占めするためだ)
「…はぁ、クソが。
で、場所はどこなんだよ。」
「近くの教会だよ。」
「…まさかとは思うけど、トーカちゃんも来るつもりじゃないよね?」
「あ?」
(ほっとけねぇだろ)
何聞いてんだよという言葉が目からひしひしと伝わってきた。
「……トーカちゃんも人のこと全く言えないから」
着いてくる気のトーカちゃんを見て私は深いため息をついた。
カランコロンッ!!
closeの文字を掲げていたはずなのに突然、扉が開けられた。