第12章 『本性』
私は後の処理は適当にCCGにでも任せる事にし、西尾先輩を担いだ。
「う"…お前、の助けなんていらねぇ
偽善者が……」
口ではそんな事を言ってるがどう見ても衰弱している。
見た感じでも以前の傷が治りきってないこともわかる。
…食事をしていないのだろうか?
「ご飯食べてないんですか?」
ストレートにそう聞くも、西尾先輩は無言のままだ。
私はそれ以上聞かず、無言で先輩の家を目指した。
「ここで合ってますか?」
「…あぁ」
私は以前の記憶を引っ張り出して先輩が家だって言ってたアパートまでやって来た。
本当の事を言ってるかどうかはわからないので若干の掛けではあったが当たりだったようだ。
ドアノブを捻るとガチャリとドアが開いた。
「不用心だなぁ」
(鍵を閉める元気もないのか)
開けた扉から中に入り、敷いたまんまの布団に西尾先輩を置いた。
「…ぅ、」
とりあえず生きてることはわかったので帰ろうとした時
バチバチバチ
「!?」
突然背後から火花の散る音がして、咄嗟に振り向くとスタンガンを持った女の人がいた。
「うわっ!」
(危なっ!誰!?)
私は急いで距離を開けた。
「えっと、彼女さんでしたらごめんなさい。西尾先輩が道端で倒れてたので」
(人間の彼女…。この状態の西尾先輩を見てもあんまり驚いてないってことはこの部屋を綺麗に整えてるのがこの人かな。
…西尾先輩、よくあの状態で彼女を食わなかったんだね)
私はそう言い訳をしながら西尾先輩が以前の人柄から大分変わったんだなと思っていた。
「ナルシじゃない…?」
(女の子だよね)
「怪しいものじゃないですよ!」
そう言って両手を頭の横ぐらいまで上げて無実を訴えた。