第12章 『本性』
その光景を目にした他の奴らは私を舐めていた顔から一変、本気で私を殺そうとする目に変わった。
私がジャリッと地面を踏み替え、構えを作ったのを合図に残りの奴らが飛びかかって来た。
「一気に来るとかお前ら恥ずかしくないのかよ。
一応女なのにw」
そんなことは微塵も思っていないが含み笑いだけを浮かべて全ての攻撃を捌いた。
「何だこいつ!?普通の人間じゃねぇぞ!!!」
「おいっ!もしかしてハトなんじゃねぇか!?」
と、焦りを見せ始めた。
「ハトじゃないし。」
私はごたつく奴らの間に突っ込み呪文を唱えた。
「オンバサラバジリサラダマンダウンハッタン」
言い終わると同時に手のひらを相手へと向ければ目に見えない力に押さえつけられる様に壁にめり込んだ。
動けなくなった3人を見て、最後の1人が逃げようとしたがそうさせるわけにはいかない。
「逃がさないよ。下手に私のこと知られるの嫌だから」
そう言って手にナイフを握った。
ナイフを握る私を見て、男は鼻で笑った。
「そんなもんで俺たちを殺れると思ってんのかよ!!!」
(くそっ!舐めやがって!!!)
頭に完全に血が上って正常な判断ができないようで、私へと一直線に突っ込んできた。
そんな相手に私は容赦無くナイフを突き刺した。
グサッ…
心臓を一突きだ。
「グ…ぶふぁあんさ…!!何で…」
(何、でナイフが……)
「唯のナイフじゃないよ?私の霊力を込めてるものだ。そのへんのクインケより喰種の切れ味はいいよ」
冥土の土産にと思い私はニコリと笑顔で教えた。
その間もドクドクと血を流していた喰種には意識がなく、既に虫の息だ