第12章 『本性』
「あ?お前錦の知り合いか?!」
「おい、待てよ…こいつ喰種じゃねぇぞ!」
「人間かよ!!じゃあなんだ?お前錦の女か?」
そう言って奴らはゲラゲラと下品な笑い声を上げた。私は黙ってそんな奴らのことを見ていた。
「わざわざ俺たちの前まで来てくれたんだから感激しようぜ。」
そう言って1人の男がこちらへ手を伸ばして来た。
「触んな」
(美食家の後でこいつら見たら雑魚でしかないねw)
私はその腕を逆に掴み壁目掛けて投げ飛ばした。
投げられた奴は「うおっ!」と情けない声を出した。
「っ!こいつ!!
ちょっと腕が立つからって調子に乗り過ぎたな。
喰種の俺たち相手じゃ何の意味もねぇ!!!」
そう言ってリーダー格とおぼしきやつが赫子を出した。
「クス、そんなに人を舐めない方がいいよ?」
クスクスと笑う私に痺れを切らした奴は甲殻の赫子を構えて私へと襲いかかって来た。
ガンッッッ!!!!
「はっ!お前ら人間なんて弱い生き物は俺たちの餌として生きてるだけでいいんだよ!」
砂塵巻き起こる壁に奴はそう言葉を吐き捨てた。
…………ポン………
「ふーん、でもねたまにはやる奴もいるんだから忠告は聞くべきだよ。
オン バサラダンカン…」
そう言ってから私はそいつの肩に置いた手を払い首を跳ね飛ばした。
頭を失い血飛沫を上げる体はゆっくりと倒れて行った。