第12章 『本性』
「こんにちは、金木君いますか?」
「こんにちは、金木君なら奥にいるよ。」
そう教えてくれたマスターに私はお礼を言ってから奥へと入った。
従業員控室と書いてる扉をノックしてから入ると金木とトーカちゃんがいた。
「あ、トーカちゃん!久振り!」
私は久振りに見るトーカちゃんに笑顔をみせた。
「お前、来過ぎだろ。」
「いいじゃん、売り上げにも貢献してるんだし。」
「…はぁ、まああんたならいいよ。
所でだけどさっき金木からレストランのこと聞いたんだけど」
そういうトーカちゃんの目は説明しろと目で語っている。
しかも拒否権はないようだ。威圧が半端ない。
私は苦笑いを浮かべながら先日のことを話した。
するとトーカちゃんは青筋を浮かべて私を見てきた。
「あんた、私の忠告全く聞いて無かったのかよ」
「え、いやいや聞いてたよ!だから最初から警戒出来てたわけだし!」
「着いて行った段階でバカだろ!」
そう言われてしまうと何も言い返せないので私はうっと苦虫を噛み潰すような表情で押し黙った。
「確かについて行ったのは浅はかだったのは認める。でも、後悔とかはないし私も大怪我したわけでもないから大丈夫。
心配かけてごめんね」
(早めに知れたことは収穫でもあるしね)
私はここで一旦レストランのことを端に寄せて、話題を変えた。