第11章 『レストラン』
そうしてる間に私を狙っていたはずの男は標的を金木にかえていた。
「つ、、かまえた」
「くっ!」
男は動けずに床に伏せている金木の上に跨りクインケを振りかざしていた。
「っ!!」
(知性ほぼないと思ってたのに優先順位変えれるぐらいのものは持ってたか!)
私はひらりとバク転して上階の手すりに足を乗せ思いっきり蹴った。
バキッ!!
手すりは私が飛び立つ反動に耐えられず砕け散った。
それを他所に瞬時に男の頭上へと間合いを詰めた私はその後頭部めがけて足を振り切った。
しかし、それと同時に
ザク
肉を裂く音が微かに聞こえた。
「金木君!!」
(間に合わなかったっ!!)
私の蹴りと男かクインケを振り下ろしたのはほぼ同じタイミングで致命傷とは言わないがその刃は金木の腕から血を流させていた。
「うっ…、大丈夫、だよ…」
(う、今は出てくるな…!!!……っくそッ!!)
大丈夫と口では言うが傷口をそのままに片目を抑える金木の様子はどう見ても大丈夫そうではない。
そして、「う"っ!」と呻き声を上げたと思った金木の目は紅く染まっていた。
「ここで暴走はお願いだから留まって!」
(お願いっ!金木君!!)
私はそんな様子の金木君の肩を揺さぶった。
「だ、大丈夫…何とか、理性は…あ、るから」
「!!よかった。ならその赫子使えそうなら加勢して欲しい!」
そう言いながら私は金木の前に立ち男を見据えた。