第11章 『レストラン』
「M氏は悪趣味なものをお持ちだ」
「コレクションですよ。私が持ってるものの中で1番単純なものを用意しました。」
(さあ、どうするのかな?)
上でそんな会話がされているが気にしてる暇もなくどうやってこの場を乗り切ろうかと考え続けた。
「…どうやって倒す?でも…」
(倒しても上の奴らに襲われたら金木君を守って逃げることができるかわからない…)
どうすればいいの…と悩んだ。
しかし、そんなことを知る由もない男はクインケで私に切りかかってきた。
私は地面を大きく蹴って、柱から突き出ているランプの上に飛び乗った。
「…今はM氏であってますよね?
良い加減こんな茶番終わらせて欲しいんですけど。」
「トレビアン!!素晴らしい運動能力だ!どれほど柔らかい肉なのかっ!!
あぁ、楽しみだよ!!」
「…。」
(話が全く通じない)
それでも私はここを切り抜けるにはこうするしかないと思い月山に襲いかかった。
しかし相手は喰種。
元々の運動神経やパワーが高い者たちだ。
殴りかかるような単調な攻撃など意図もたやすく避けられた。
「おっと。いきなりは歓迎しないね、プリンセス。」
「誰がプリンセスだよ!そんなものになった覚えないし!」
(大人しく人質になれや!)
術で身体は強化してあるとはいえ手段は普通の体術となんら変わりないので中々決定打を与えられない。