第11章 『レストラン』
作業が終わった男は私達に目を向けた。
「2人のことは僕が守るから後ろにいて!」
(僕が巻き込んだんだ。絶対に守るよ)
「無理しないで、私も動けるから」
(1人では大変でしょ)
そう言って私が一歩踏み出すより先にもう1人の女性が金木を突き飛ばした。
「なら、お前が先にやられろ!」
そう叫ぶ。
「…最低。」
(金木君!)
私は小さく舌打ちをして突き飛ばされて男の目の前に転がり出た金木の肩を担いでその場から離れた。
それでも、あの女性より私達の方が近いからこっちに向かって来るかと思ったが男はそう動かなかった。
ドシドシドシ…
女性の方へと走っていった。
「何で私の方に来るのよ!!」
(こんなとこで死ねるか!!)
その体型からは想像がつかない程の俊足で逃げ回っていた。
「お?私が気にかけなくても自力でいけそうだね。」
(…守ろうとした金木君を突き飛ばしてまで生きようとしたやつをこれ以上守る気になれないから丁度いいや)
そして、私と金木は追いかけられてる光景を見ていたら…
バタン…
突然倒れ込んだ。