第11章 『レストラン』
「人間…」
(下手に手出ししにくいな…。それにこの場で術はあまり使いたくない。見ている奴らが多過ぎる…悪いけど様子見しよう。)
私はことの成り行きを見守ることにした。
例え、誰かの命が消えても。
それほどまでに危険な状況だということだ。
「ママ…」
そう呟きながら男は私達に近づいてきた。
すると、先程から「す、凄いリアルだな…。」
と恐怖を押し隠すかのように振舞っていた男性が何を思ったのか男に近づいて行った。
「凄いなっ!!ここまでリアルなものは見たことがない!これはいい記事がっ…!!」
喋ってる途中だったがガシッと男に掴まれた。
それでも尚、喋り続けるが相手はそんなことを胃に返さずガンッと地面に男性を押し付けた。
そして馬乗りになったかと思うと手に持っていた糸鋸で腕を切り落とした…。
「う"あ"あああああっ!!!!!
い"、い"だいっっっっ!!!!!!!!!」
男性の絶叫が響いた。
上の奴らはその光景を嬉々として見つめ、切り落とされた腕に群がった。
「っ…。」
(ごめんなさい。…助けれるかもしれないけど全員を守ってここを切り抜けられるほど現状は甘くない。)
私は残酷な光景からせめて、目を逸らさないで彼の無残な最後を見届けた。
バラバラに解体された肉体は箱詰めされて運び出されて行った。