第11章 『レストラン』
「…どうして、月山さん……」
(こんなことになるなんて…)
「…」
(金木君もこの事態は全くの予想外みたいだね)
そうしてる間に月山は私達の紹介をして行く。
「…、運動神経がよく魅惑の香りのする人間、そして本日のメインディッシュは喰種の彼です」
「!?」
(香りのことが暴露てる!?なんで!?)
「!?」
(え、暴露た…!?)
私達は彼の言葉を聞いて動揺を隠せなかった。
そんな私達を他所に上の客席にいる大勢の喰種達は金木を食べることに難色をしめしていた。
そして喰種という単語に反応したのはあちらだけではない。
「え、…。君、喰種…?」
「ふざけんな!!…っ!あんたの事は前々から怪しいと思っていたのよ!!」
(こいつも喰種!?)
動揺がこの場の四人を包んだ。
そんな空気を見て、月山は懐から1枚のハンカチをだした。ハンカチの中央は赤くシミになっている。
「皆様、これをご覧ください!この人芳醇な香り…喰種でありながら人の香りを色濃く出す彼の味に興味は沸きませんか!?」
と、客に聞く。
その言葉を聞き、彼等は徐々に同意の意を示し出す。
会場が「早く食わせろ」「俺は足がいい」などと注文がで出した頃に私達が入って来た扉の向かいにあったシャッターが開いた。
その奥から現れるのは私達の救世主でないことだけは確かだ。
ドスンドスン…
重い足音を響かせながら現れたのは糸鋸を持った大柄の人間だった。