第5章 昔話
でも、そんな少女に変化が起きた。
とある少年が王宮に来たのさ。
理由なんて知らない。
けれど、その少年を見たときに少女は何かを感じた。
その「何か」はわからないけど。
そこからだった。
少女の瞳が輝きだした。
少女は願った
初めてだったのかもしれない。
少女が父親に何かを頼むのは
「あの少年と話がしたい」
ただそれだけの願いだった。
けれど父はそれを許しはしなかった。
何度もお願いした
それでも答えは変わらなかった
少女はあきらめた
きっと「運命」だったんだろうね
少女はその少年とばったり出くわした。
最初はそりゃあ驚いたさ
少女は使用人と王である父にしかあったことがなかったから。
ましてや初めて年の近い人に会ったんだ
何を話せばいいかなんて考えたこともなかった
少年 「ん?おまえ…誰だ?」