第2章 ポッキーゲームにルールはない 安倍蒼世 学パロ甘
「てか、蒼世さ!キスしたかっただけじゃないの!?」
我に返った琉璃は両手を振り回すほど慌て真っ赤になっていた
やけになって、とっさに思いついたことを言えば蒼世はそっぽを向いて
頬を染めたのだった
「え?マジですか。蒼世さん…それに手を使っちゃいけないんだよー!」
「うるさい。それに、お前は初めにそんな説明なんてしなかったはずだ…そんなルールは存在しない」
すぐに冷静な態度に戻ると淡々と語り出す彼
痛いところを突かれた彼女は何も言い返すことは出来ず、ただ紡がれる言葉を聞くしか方法はなかった
「もう一回!今度は手を使わないで!」
もう一本取り出して諦めきれないようで挑むようにしてポッキーで彼を指す
「煩わしいものは、いらん」
そうすればキスが落ちてきた
甘くて、どうしようもない
どんなお菓子よりもいい最高級のもの
君といる時間
それが一番恋しい
「ほら、これを食べろ。ポッキーゲームの続きだ」
「蒼世の食べかけ……えぇ!!か、間接キス?」
「お前がやり始めたのだから責任を取れ」
ポッキーゲームにルールはない
人、それぞれのやり方があり愛し方がある