第6章 お願いだから添い寝して 曇天火 激甘 R18?
その日の私は熱を出して遠くに行けず
大好きな天火に会いに行くことも出来なくて
暇で暇で仕方なかった
けれど、また君は相変わらずで
-お願いだから添い寝して-
「琉璃!!」
扉が開いたと思えば飛び込んでくる大好きな人
熱にうなされて夢でも見ているのか
夢でもいいと私は笑って朦朧とする意識の中で貴方に手を伸ばす
手のひらを上にすれば大きな手が重なるり温かさを十分に感じた
「天火…夢かしら…貴方がここにいるなんて…」
息も切れ切れ話しかける私に貴方は心配そうな顔つきになって寝ている私の側に座る
そうすると両手で私が伸ばした手を握りしめた
それを額に持って行き当てる
「夢で済ませる気か。俺はここにいる…ちゃんとお前の側でお前を見守る。忘れたわけじゃねーだろ、俺たちが交わした約束」
目を伏せて幸せそうに笑う
本当に夢ではなく現実
天火が側にいて私を見てくれている
こんなに幸せでいいのだろうか、と
「忘れません…天火と交わした約束は私の生き甲斐ですもの」
そう笑えば太陽は、またすぐに微笑み返して持ってきた袋を上に上げる
丸くて大きなものが幾つか入っているのが見える
それを見せるなり彼の自慢話が始まった
「見ろ見ろ!お見舞い行くっていったら、林檎もらったんだ!俺はいつでも人気で困るぜー」
「はいはい、そうね」
こんなところも嫌味のない彼のいいところ
つい一緒になって笑ってしまえるほど
「ちょっと待ってろよ」
天火が林檎を剥いてくるといい何処かへ行ってしまった
寂しい少しいないだけでも寂しい
数分、いや数十分だろうか、そうして天火は皿に林檎を持ってきた
また、それが無惨な形に切られているわけで
「少し、空丸君のお手伝いをした方が良さそうね」
そう言えば天火は赤くなって怒り出す
からかいがいのあるところもいい
そんな彼が愛おしい
いつの間にか怒っている彼をよそに、私の手は天火の服に伸びていた
「だ、だいたいこれは男のやることじゃねーってかよ!そうだやってけなくても生きていけんだよって、ん?」
それに気づいた天火は不思議そうにそれを見る
私は熱があるせいなのか、何なのか甘えたくて仕方がなかった
そんな私はとんでもないことを口にしていた
「お願い…添い寝してほしいの」
ガタンと何かが落下する音がして
天火は真っ赤になりながら硬直していた