第3章 過去
私の目は、生まれつき銀色だった。
その所為もあってか、周囲の人達からは気味が悪いと言うような目で見られた。
両親からも、『何でちゃんと産まれて来なかったんだ』って言われた。
それでも、育ててはくれていた。
何せ、私が一人目の子供だったから。
だけど、それも長くは続かなかった。
私が10歳の時、弟が産まれた。
そこから両親二人は豹変した。
まるで、其処に私が居ないかのように、弟を溺愛した。
弟の目を見てみると、茶色と黒が混ざったような色だった。
お母さんの目は茶色。お父さんの目は黒。
どう見ても、お母さんとお父さんの血を受け継いでいるように思えた。
それに比べて、私の目の色は銀色。
それは、明らかにみんなとの違いを醸し出していた。
それでも私は、どうにかお母さんとお父さんに認めてもらおうと努力した。
勉強も、家事も、運動も、弟の面倒だって、自分から進んでやった。
だけど、勉強や家事、運動はさせてもらっても、弟の面倒を見る事だけは、頑なに拒否された。