第3章 過去
高尾
「え…ちゃんって、もしかしてハーフ?」
『ふふっ、和成は優しいね。ううん、歴とした日本人だよ。この目は生まれつき。』
高尾
「そうなんだ…」
そう言って、少し言葉を濁らす和成。
『気持ち悪いでしょ? 目が銀色なんて。
高尾
「そんな事ない!」
『え?』
緑間
「!」
高尾
「確かに、驚きはした。けど、気持ち悪いなんて思ってない! 寧ろ、綺麗だと思った!」
『かず…なり…』
〝綺麗だと思った!〟
『ありがとう。』
和成のその言葉に、また少しだけ前に進めそうな気がした。
『私って、恵まれてるのかな?』
高尾
「え…?」
『私の目を見ると、大半の人達は何故か私から離れて行った。だけど、和成達は、今もまだ離れずに此処に居てくれてる。』
高尾
「俺達って事は、真ちゃんも?」
『真太郎だけじゃないよ。涼太も、大輝も、敦も、テツヤも、征くんも、さつきも、虹村先輩達も、みんな私を見捨てずに居てくれた。』
高尾
「十分、恵まれてるじゃん!」
だけど…
『お母さん達に愛されないのは、恵まれてるって、言わないの…』