第3章 第三章
「あなたが暮らしやすいようにします。ずっと居ていいんですよ」
宗次郎さん……。
宗次郎さんが優しい眼差しで私を見つめてくれる。
あれ……。
変だな……涙が……。
溢れてくる……。
「ごめっ……なさっ……っ」
宗次郎さんに泣き顔を見られたくなくて両手で顔を覆う。
ふわっと強く体を覆われた。
宗次郎さんが……抱きしめてくれてるんだ……。
宗次郎さんの優しい手が私の髪を撫でる。
「居てください……ずっと……そして僕の恋人に……」
「っ……えっ」
宗次郎さんが一層強く私を抱きしめる。
私は言葉が出なかった。
恋……人……?
今……そう言った……よね……?
胸がとくとく高鳴る。
「私……は……」
私……宗次郎さんのこと……。
好き……。
「僕の恋人になってくださいませんか……?」
「っ……はい……」
恋人になりたい!!
宗次郎さんの恋人に!!!!!!!!!
宗次郎さんがゆっくり私から離れて私を見つめて微笑む。
「ありがとうございます時音さん」
涙が次から次へと溢れ出る。
視界が滲む。
私は帰る場所と最愛の恋人を得た。
お母さん、お父さん……。
私……生きてみるね……。
やっと生きたいって思えた……。
最愛の宗次郎さんが居てくださるから……。