第3章 第三章
眩しい光を、まぶたを閉じていても感じる。
朝が来たのだろうか……?
そっと目を開くと私の目に刀が閃いているのが飛び込んできた。
刀が私に向かって振り下ろされる。
危ない!!!!!!!!!!
私は咄嗟に横に転がって立て膝をついて起き上がった。
刀は私の寝ていた布団を切り裂き、羽毛が宙に舞っている。
刀を振り下ろした真犯人を見て驚愕した。
「宗次郎……さん……?」
「さすがですねぇ。ま、僕も手加減しましたけどね」
宗次郎さんが笑顔で私を見る。
「何を……」
心臓がバクバクと音を立てる。
「時音さん、強くなりたいんでしょう?僕のそばに居る時は油断なさらないでくださいね。あなたを鍛えますから」
「……っ」
「僕はそろそろ志々雄さんの元へ行きますね。時音さん、一緒に食事できませんけど、これを」
宗次郎さんが私に財布を渡してきた。
「麓に下りてこのお金で食事してください。そして今日から早速神谷道場の面々を探し出してくださいね」
「いいのですか?」
申し訳ない……。
……まだ心臓が……バクバク言ってる……。
「お金はこれしか用意できませんので、足りなくなる前に拠点に戻ってきてくださいね。足りなくなる前に神谷道場の面々を探し出すこと。いいですね?」
「……はい」
私は宗次郎さんの財布を受け取った。
宗次郎さんがクスッと微笑んで私に顔を寄せてきた。
「本当は戸惑っていませんか。悪事に手を染めることを」
宗次郎さんが優しく囁いた。
「……少し……だけです……。戸惑いは少ししかありません。宗次郎さんは悪い人には見えないし私の命の恩人だから……宗次郎さんについていきます」
宗次郎さんは大切な人……。
私を救ってくれた命の恩人……。
「僕に従って欲しいわけではありませんよ。志々雄さんの命令に従っていただければ、それで」
「分かりました」