第2章 第ニ章
「……休みましょう?あなたも色々あってお疲れでしょう」
唇を離して宗次郎さんが私を優しく腕で包み込んでくれる。
「宗次郎……さん……」
涙が滲む。
お母さん、お父さんが亡くなった……。
その事実をまだ受け止められない。
「うっ」
私は口元を押さえた。
「大丈夫ですか?」
宗次郎さんが私から離れて私を心配そうに見つめてくれる。
……吐きそう。
ダメ……ここで吐いたら宗次郎さんの迷惑に……。
私は口元を押さえて眉をしかめてなんとか持ちこたえた。
「水を持ってきましょうか」
宗次郎さんが慌てて何かを取りに行く。
「はい、水です、飲んでください。楽になると思います」
宗次郎さんが竹の水筒を差し出してくれた。
中に水が入っている。
「ありがとうござい……ます……」
私はそっと竹の水筒に口をつけ、水を飲んだ。
吐き気が収まり少し元気が戻ってくる。
よかった……吐いたら宗次郎さんの部屋を汚しちゃうところだった。