第2章 第ニ章
3分ほど走ったら扉が見えてきた。
この扉……?
この扉なの……?
宗次郎さんの部屋に続いている扉は。
私はそっと扉を開けた。
……暗い部屋……。
箪笥……箱……そのくらいしか置いてない。
でも……なんだか……落ち着く部屋……。
ガタッ。
横に扉があって、扉が開いて……。
――!!
宗次郎さん!!
「驚いたなぁ……誰かと思ったら時音さん……。この抜け道を辿られるとは……」
宗次郎さんが瞠目して私を見つめている。
「驚いた……。合格です。あなたなら神谷道場の面々を探し出す事ができるでしょう。部下達よりも使えそうですね」
宗次郎さんが微笑んだ。
やった!!!!!!!!!!
宗次郎さんの部屋に辿り着いた!!!!!!!!!!!!!
「来てください」
宗次郎さんが私の手を引いて私を部屋から出す。
十……二十……三十!?
三十畳くらいの……いや、もっと広い畳の部屋が、ろうそくの仄かな明かりで私の目の前に浮かび上がっていた。
「ここが無間の間。僕の部屋です」
宗次郎さんの布団が敷いてある。
「今夜はここでお眠りください、時音さん」
えっ……?
「宗次郎さんと……?」
「はい」
「この布団で?」
「はい」
「えええええええええええええええええええええ!??」
「時音さん」
ガシッと両手首を握られ、壁に押し付けられた。
宗次郎さんが目を閉じて私の唇に唇を寄せる。
「そっ……宗次郎さ……」
唇を塞がれた。
「んっ……」
宗次郎さんの唇の感覚に心臓が尋常じゃない音を奏でる。
宗次郎さんが唇を私の唇から離す。
「時音さん、僕はあなたを殺したりしませんよ。あなたは勘違いしているみたいでしたけれど……。僕……あなたを初めて見た時から……僕のものにしたいって……」
熱の込もった視線で私を見つめると、宗次郎さんは再び目を閉じて私の唇に熱く口付けた。
……宗次郎……さん……。
抗えない……。
宗次郎さんからの口付け……嬉しい……。
私も目を閉じて宗次郎さんの優しい舌に応えていた。