第2章 第ニ章
ギギィ……パタン。
志々雄さんの部屋の扉を閉めて、考えた。
左へ行こうか、右に行こうか……。
……?
ギギィ……パタン???
なんか……さっきの宗次郎さんが居なくなった時の音と違うような……?
宗次郎さんはガタッと音を立てていた。
……気のせいか……。
いや……でも……なんか引っかかる。
私は違和感を抱きながらも、まずは左に行ってみることにした。
長い長い廊下が続いている。
私は走り始めた。
何ここ……この拠点……こんなに……こんなに広いの!?
黒い服を着ている護衛の人とすれ違った。
「あっ……あの……っ」
「見慣れない者だな。何者だ!?」
「えっ……。今日から宗次郎さんと一緒に志々雄さんに仕える身になった者です」
「……それはっ……失礼しました」
護衛の人が私に土下座する。
土下座しなくてもいいのに。
「宗次郎さんの部屋に行きたいのですが、どこかご存知ですか?」
「瀬田様の御部屋でしたら、無間の間という部屋です。この先ですよ」
「ありがとうございます」
簡単簡単。こうやって聞き込みしちゃえばいいんだもんね!
楽勝!!!!!!!
私は口角を上げて微笑んだ。