第3章 彼の正体
「よし…ちょっと見て回ろ…」
人間、やるなと言われたことはやりたくなる性。
私は、好奇心を抱きながら、ドアを開ける。
廊下は、おそらく大理石で、所々に壁に絵が飾られている。
「お屋敷って言ってたけど…本当なんだ…」
心の言葉を漏らしながら、さっきトーマが
引っ張られていった方向に歩いてみる。
途中いくつか部屋はあったが、中には入らなかった。
と言うより、入れなかった。
鍵でもかかっているのか、ある部屋を残して全て扉が開かなかった。
私は、唯一開く部屋の中が気になり、廊下から中をのぞく。
中は、ベットと机、ぬいぐるみの群れがあった。
あの二人のどちらかの部屋なんだろう。
私は、慎重に部屋の中に足を踏み入れた。