第2章 救いの手
「ミハエル、家に連れて帰って来たのはいいけど、どうするの?」
トーマが少女をベットにおろしてたずねた。
「そうですね...とりあえず体力が回復したら人の多い都に帰して....あっ」
ミハエルははっとしたように言葉をとめた。
「この子は帰せないよね。」
冷めた目でミハエルを見つめる。
「うう...僕としたことが」
ミハエルは慌てて少女を担いで先ほどの場所に戻ろうとしたが時すでに遅し...
「うわぁぁ!!だ、誰ですか!?」
「うわぁぁぁぁ」
少女が叫んだとほぼ同時にミハエルも驚き叫んだ。
「うるさい」
トーマはため息をつくように呟いた。
「あっあの...」
「はじめまして、僕はトーマ。今日からよろしく」
「えっ...あっ私は真理です...ん?今日からって?」
「いろいろ事情があって君を元のところに帰す訳にはいかないんだ」
トーマが満面の笑みで言った。
「は...はぁ!?」