• テキストサイズ

吸血鬼さんと禁断の恋

第5章 因縁


「くっ……吸血鬼がっ…」
「そうだよ、僕は吸血鬼だよ。君達より上のね」
ミハエルはよりいっそう苦しそうにもがいている。
「ごめんね、すぐにこいつは追い出すから…」
トーマは私の服の袖をまくり、傷を確かめる。
「結構深いかも…痕残ったりするかも」
腕に滴る血をトーマはじっと見つめた。
「…っ、こんな場合じゃないね、すぐに手当てしないと」
私を連れて部屋をでた。
「あの、ミハエルは…」
「ほっといてもいい、しばらくは僕たちに出だしできないよ」
それより真理の傷の手当てが先だと言われ、
再びトーマの部屋に入ることになった。
「包帯あるかな…」
独り言を呟きながら、さっきから探している。
「いいです、そんな探してまで」
「僕の気が済まないの…っと、あった」
包帯を見つけ、私の腕へと巻き付ける。
「膿んだりしないといいけど」
トーマは完璧だった。
消毒も、縫うのも、こうして包帯を巻くのも。
「じゃあ、真理の部屋に…ああ、あいつをほってきたね。
 今日は僕の部屋で寝てくれるかな?」
/ 29ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp