第4章 秘密の部屋
「実はさ、君に見せたい部屋があるんだ。ちょっとついてきてくれる?」
私は疑いながら、うなずいた。
「じゃあ、目をつぶって」
目をゆっくり閉じる。
いや、ここは開けてた方がよかったのかもしれないが、すぐにトーマは「もういいよ」と言った。
さっきと何か変わった気がしたがゆっくり目を開けた。
最初は薄暗くて見えにくかったがしばらくたつとぼんやりと物が見えてきた。
その部屋は、棚が壁際にあり、使い道の分からない道具が置かれていて、中央には箱が置かれていた。
「この部屋は、僕か、もしくは僕が許可した人しか入れない部屋で…いわゆる拷問部屋ってやつだよ」
私はぎょっとして一歩後ろに下がる。
トーマはあわてて
「別に君を拷問しようだなんて思ってないよ!!」
と私の考えをあわてて否定した。
「ここに連れてきたのはね、僕の過去を教えようと思って。ミハエルにも教えてないことを……君には教えなきゃいけないって気がしたから」
さっきのあわててた様子からは想像できないぐらい真剣な目付きで私を見る。
そして、ゆっくり口を開いた。