第4章 秘密の部屋
少しよろめいたがすぐに建て直し、ため息をついてベットに座った。
そして、頭を抱え込んだ。
「このままじゃ一生出られない...どうしよう...」
小さく呟いて、どうにかこうにかここから抜け出す方法を考える。
しかし、この部屋にねずみ一匹さえ通る隙間がなさそうだ。
「死ぬの...私...?」
「殺しはしないよ」
突然頭の上から声がして慌てて顔を上げる。
するとすぐ目の前にトーマの顔が映る。
思わず声を上げようとしたが口を手でふさがれる。
そして、耳元で、「ミハエルに見つかっちゃう」と言われた。
それからトーマは扉をじっと見てから再び私に視線を戻した。
「フゥ」と息を吐いてから口をふさいでいた手をどかし、
「急にごめんね」と言った。