ときめきメモリアルGirl's Side【佐伯瑛】
第1章 珊瑚礁ブレンド味
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「だからぁ、間接キスのお味?」
お前って、直ぐそういう事言うよな?
だからお父さんは心配なんだ。
他の男の前でもそんな事言ってるんじゃないかって。
悪戯な笑みを向けるお前の頬が微かに赤い。
きっとお前も恥ずかしくて照れ隠しでふざけてるのかも知れない。
「知りたい?」
「えっ?」
「だから、間接キスの味がどうだったかって…」
間接キスとか実際言ってみると結構恥ずかしくて。
照れてるのに気付かれないように、お前から軽く視線を外す。
「うんうん、知りたい!」
無邪気な笑顔。
「じゃあ…教えてやる」
俺へと身を乗り出しているお前の肩を抱き寄せるみたいにキスをした。
「…で、どう?」
「えっ?」
「だから…味っ!」
恥ずかしくて、それを隠すように乱暴な問いかけの俺。
「えっと…あーっ、コーヒーの味かなぁ?」
色気のないお前らしい返答に少し笑ってしまう。
「そうだな。どうせなら珊瑚礁ブレンド味とかが良かったな」
別に深い意味なんてなかったのに。
「あぁ、それいいね。じゃあ、今度はそうしようよ」
だなんて無防備なお前の答えに固まる俺。
なぁ、夏海。
お前意味解って言ってるのか?
それってまた俺とキスしたいって事なんだぞ?
「お前…それ…」
「あっ!」
やっと自分の言葉の意味を理解したのか、真っ赤になって口を両手で覆うお前。
あぁ、もう本当に。
どこまでお前はボンヤリなんだ。
「まぁ、別にいいけど。…その、なんだ…お前がイヤじゃないなら」
「…あ、うん。…イヤじゃないよ」
小さく答えるお前。
「行くぞ」