ときめきメモリアルGirl's Side【佐伯瑛】
第2章 未来の1ページ
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「そうだな。陸が居ないとこんなに静かなんだな?」
抱き締めたお前の髪に頬を寄せると、お前に回した俺の腕へとお前が手を添える。
なぁ、夏海。
今すぐには無理だけどさ、いつか…いつか今日みたいな日が、俺達の未来の中にあったらいいよな?
お前が居て、子供が居て、そして一緒に珊瑚礁で働いてさ。
そんな未来の一ページが俺達の未来の中にあったらって。
抱き締めたお前をそのまま今度は組み敷いた。
「瑛くん?」
甘えたように俺の名を紡ぐ愛しい唇にキスをする。
「なぁ、夏海。作ろうぜ?」
「えっ?」
「子供。お前…淋しいんだろ?」
クスクスと笑いながら首筋へと口付ける俺に、お前の熱が上がるのを感じた。
「ちょ…、瑛くん?何バカな事言ってるの?」
「バカじゃない。本気だけど、俺?」
顔を上げて、組み敷いたお前の髪を撫でる。
「本気…って、まだ高校生だよ?」
「バーカ!誰が今すぐっつったよ?もっと先の話」
「あーっ、待って!」
そう言って口付けようとした俺の顔をお前の手が押し返す。
「何だよ?」
「じゃ…じゃあ、これは何?」
「えっ?これは…練習?ほら、いざって時にすぐ子供作れるように…な?」
俺の言葉に、なにそれ…って笑ったお前の言葉を合図に、また首筋に唇を寄せた。
「夏海、大丈夫だよ。俺はずっと側に居るから。だから…淋しくないだろ?」
耳元にそう囁いて、首筋に口付ける。
ずっと側に居るから…って、印を残すみたいに強く。
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こちらも昔に書かせて頂いたお話です。
閲覧有難うございます。
またお目にかかれましたら幸いです。
2014.11.13