ときめきメモリアルGirl's Side【佐伯瑛】
第2章 未来の1ページ
抱かれている陸が可愛いのは勿論、陸を抱いているお前のその甘えた表情が余りに可愛くて。
一瞬陸の事を忘れてお前を襲いそうな衝動に駆られる。
あーっ、もう、こんな時に欲情してどうする?俺。
「落ち着けよ。あっ、オムツは?オムツ濡れてるんじゃないか?」
「えーっ、そうなの?どっ…どうしよう?」
「どうしようってなぁ、お前。あぁ、もう、ちょっと陸貸して」
ただあたふたするお前から陸を奪い、オムツが濡れていないかを確認。
「オムツじゃないなぁ…じゃあ、ミルクか?夏海、ミルクは?どこに置いてある?」
「えっ?あっ、リビングに陸の使うものはまとまって置いてあるよ」
そう言って立ち上がるお前を制する。
「夏海は陸と待ってろ。俺がミルク作ってくるから」
「ありがとう、お父さん」
全く…調子のいいヤツ。
ニコニコと陸を抱いた夏海に見送られ、ミルクを作りにリビングへ。
哺乳瓶に粉ミルクを入れて、ぬるめのお湯を注ぐ。
確か…人肌くらいとか言うよな?
ミルクの温度って。
哺乳瓶を腕に抱えるようにして、熱くないかと確かめるように、再びお前の待つ部屋へ。
こんな事してるとさ、なんか本当に家族になった気がしてくるから不思議だ。
そしてその感覚が酷く心地いい。
きっと俺は求めてるのかも知れない。
こうしてお前が側に居る未来を。
「夏海」
声を掛けてドアを開けると、まだ少しクズってる陸を抱き締めたまま、自分のベッドに横たわるお前を捉える。
「なんだよ、もう寝ちゃったのか?困ったお母さんだよな?陸」
そっと寝ているお前の腕から陸を離し今度は俺が抱いてやる。