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ときめきメモリアルGirl's Side【佐伯瑛】

第2章 未来の1ページ


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「お母さん、どこに行ったか知ってる?」

「いや、知らないけど」

「旅行だって」

満面の笑みのお前の可愛い唇から零れた恐ろしい言葉に暫し言葉を失う俺。

「はははっ、お前、面白い冗談言うな?」

「冗談に聞こえる?お母さん、大きな荷物持ってなかった?」

笑顔のお前の言葉に、つい今しがたのおばさんとの遭遇のシーンを思い起こしてみる。
…あっ、確かに持ってた。
大きなバッグを。

こんな事だって知ってたら、絶対呼び止めたのに…。

「…なぁ、おじさんは?」

「お父さんは単身赴任だって知ってるでしょ?瑛くん」

そうでした。
誰かに助けて欲しくて、すっかりその事実を忘れる所だった。
となると、おばさんもおじさんも居ないって訳か。

「所で…この子って、誰の子なんだよ」

「えっ?…ヤだな、瑛くん。今、瑛くんと私の子じゃないかって考えたでしょ?残念なから違うんだよね」

楽しげなお前に思い切りチョップを見舞う。

「…っ、痛いってば」

「お前なぁ…ふざけてる場合じゃないぞ?…ってか、もし…もしもだ。その…子供が出来たとしたら、なんだ…その…頼むからさ、産む前に一言相談するように…」

って、何言っちゃってんだ?俺。
つうか、マズイだろ?
俺たちまだ高校生なんだし。
子供とかそう言うのはさ、もう少し先…そう、せめて高校を卒業して。

イヤ、結婚する事も考えると大学も………あーっ!
俺、何考えてんだ?
しっかりしろ、俺!

自分の言ってる事が恥ずかしくて、言葉尻を小さくしながら告げた言葉に、陸を抱いたお前が可愛く頷くから。
なんか勝手に想像しちゃうじゃん。
お前との将来とかさ。
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