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HQ短編‼︎

第3章 月島蛍 雨天決行


下着は致し方ないが、さっきまで身につけていたのを着るしかない。嫌々ながらもブラジャーをつけ、パンツを履いてから、やばいことに気がついた。
あれ?私、下着脱衣所に普通に置いてた。それはつまり。

(月島に下着見られた……‼︎)

なんたる不覚。今日の下着はあまり見られたくなかった。白地に黒レースという少々色っぽいデザインだったので、親にエロ本を見られた青少年の気分だ。
月島のことだから声には出さずに驚いていたんだろう。
これはあれか、謝るべきか。見苦しいものをお見せいたしまして誠に申し訳ございません……と三つ指ついて土下座?

いかん。完全に混乱している。
「……ええい!ままよ‼︎」
戦国時代の武将ばりに潔く月島の服を着る。ラフなスウェットだが、体格の差によるダボダボ感が尋常じゃない。これが男女の差か。ずるずる下がる肩の辺りの布を手繰り寄せる。ブラ紐見せるのはビッチだ。ビッチにはなりたくない。


「お風呂、いただきました〜……」
「……」

前を抑えながら扉から顔を出す。髪はまだ濡れているが水気はしっかり取った。OK大丈夫、と周りを見回すと、目の前に大きい壁が……と思えば月島だった。恐る恐る見上げると、腕組みをして見下ろしてらっしゃる。
そしてかなり邪悪なオーラを噴出している。何故かお怒りである。

「……あのさぁ」
「ヒィ」
「あんた、無防備どころじゃないって……」
「……なんかすみません」
「うるさい黙れ」
「ハイ」

突然、邪悪オーラが無くなって月島がしゃがみ込む。ふわふわの髪の毛をくしゃりと触ってから、重たい溜息をもう一つ。
無防備うんぬんは、十中八九あれだろう。下着。
一緒になってしゃがみ込む。

「月島?」
「……」
「えーっと……その節はお見苦しい物をお見せしてしまい……」
「……は?」
「いやえっとあの、下着……」
「……!」

突如、月島がうずくまった。えっ!大丈夫⁉︎と思わず肩を掴むと振り払われる。耳が真っ赤である。

「あんたほんとなんなの」
「スミマセン……」
「忘れようとしてたのに」
「……そのまま忘れて」
「もう無理やってらんない……」

この反応は、ちょっと調子乗ってもいいんだろうか。
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