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HQ短編‼︎

第2章 日向翔陽 グッバイ•アイザック


「緋紗おはよー」
「うぉ、いてて……おはよ花香」

べしべしと私の背中を叩いて、前の席に花香が座る。 いつものにやけ面が視界の端にちらつくが、無視。
ギターの譜面を眺める。やっぱり、この曲が弾きたい。……日向のためにあるような、この曲を。

「ちょっとお、緋紗ってば、超絶美形な花香様が意味ありげな視線を送ってるのに無視するの〜?」
「超絶美形とか、かっこわらいだわ。自称にも程があるよ?」
「ちょっオブラート! オブラート忘れてます緋紗さん!なんか恨みでもあるの⁉︎」
「あるに決まってんでしょ、自称超絶美形さん」

私が男バレの試合を見に行くたびついてくるし、日向を見てたら肘でグイグイしてくるし、逆に恨み以外の何がある。
と花香に言ってやると、にゅふふ、と気持ち悪い笑い。

「……何よ」
「だってぇ〜緋紗意識しまくりなんだもーん、あのヒナタくん?って一年の子〜」
「そんなこと、ないし……」
「強がりなさんなってぇ、自分じゃ気づいてないだろうけど、かなり目で追っかけてるよぉ」
「う……」

だって、惹き寄せられるから。視線も心も。
プレイスタイルの自由さと、一人じゃないのになぜか

----孤独な万有引力のような力を、感じる。

「……緋紗?おーい、またポエミーなこと考えてるのー?武ちゃんみたいなー」
「……話したこともないのにね、やっぱ変よね。でも、私烏野のバレーが好きだから」
「ふふー、烏野のバレー部の、ヒナタくんじゃなくってぇ〜?」
「うっさい花香」
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