第11章 Class7.V-1GP No.1男は愛する者を警護せよの巻
「准様、お誕生日おめでとうございます!」
11月のある日、エリカが2-Bの教室に入って来て准一にプレゼントを渡した。
「准くん今日誕生日だったんだ!あたしと同じ11月なんだね!」
「ちょっと、勝手に会話に入ってこないでよ!」
そんなエリカを無視し、ももこは准一に続けて話しかける。
「見て見て~!これセンパイから貰ったんだ~!お揃いなんだよ!」
「自慢かよ。」
博から誕生日に貰ったペンダントを笑顔で見せるももこに呆れる准一。
言うまでもなく、サッカー部の練習試合の後、博とももこの関係は全校に広まった。
それをきっかけにももこは完全にオープンになった。
「フンっ!長野副会長はアンタなんかのどこが良かったのかしら。」
「アンタに言われたくないし。」
「准様~!もうすぐアレね!わたくし絶対准様に投票しますわね!」
「あぁ、アレかぁ。」
アレとは、毎年冬休み前の学期末テスト直前に行われるV-1グランプリのことだ。
V6学園の中で最も人気のある美男美女を決める学校行事の一つである。
女子は最も美しいと思う男子に、男子は最も美しいと思う女子に、全校の生徒が投票して決めるグランプリである。
11月の最後の一週間で投票し、12月の頭に渡り廊下の掲示板に上位10位までの結果が貼り出される。