第10章 オマケページきょうこ篇 マフラー
「こうすれば、チャリンコ乗ってる時、もっと繋がっていられるでしょ?離れる心配もないし!」
そう言って健チャンはあたしに巻いたマフラーを逆側から自分の首にくるくる巻く。
「ヤだヤだっ!恥ずかしいっ!」
あたしが慌ててマフラーを外そうとすると、健チャンは悲しそうな顔でしょんぼりしてしまった。
「きょうちゃんと一緒にしたかったから買ったのに…」
その顔にあたしはいつも負けてしまう。
「わかったよ。でも、自転車乗ってる時だけだよ!これで歩くのはさすがに恥ずかしいから。」
健チャンの顔がパアっと明るくなる。
自転車にまたがった健チャンが後ろを振り向きあたしに言う。
「じゃあきょうちゃん……」
「『ストロベリーパフェ食べに行こ』でしょ?」
「うん!」
ちょっと恥ずかしかったけど、でもそれ以上に嬉しかったよ、健チャン。