第21章 Class12.それぞれの夜★の巻
「嫌いになるわけないよ!今までよりもっと健チャンが好きになった。ただちょっと、まだ戸惑ってて。」
健はマフラーをきょうこの首にかける。
「昨日はすごく幸せだった。」
「あたしもだよ。」
「じゃあ恥ずかしさがなくなるようにもっと慣れなくちゃね!」
無邪気な笑顔で言う健の背中をきょうこがバシッと叩く。
「もうっ!」
二人に笑顔が戻った。
「それより、本当に体調悪くないの?」
「うん。まだちょっと痛いけど。」
「ごめん。」
「どうして謝るの?女なら誰もが通る痛みだから。」
「男ってダメだね。」
「ね。」
「そこは否定するとこだろっ!」
「剛くんのプレゼント何にしよう?」
「シカトすんなよ~!」
その頃部活を終えたちえは楽器を片付けているももこをチラッと見る。
「どうしたの?」
「明日、剛先輩とデートするんです。」
「早速!?さすがごおちゃん!手が早いなぁ。」
「誕生日の前に1回会いたいって言われて…」
「そっか。」
「私、大丈夫でしょうか?」
「え?」
「剛先輩はこういうの慣れてるだろうから何とも思わないと思うけど、私付き合うのとか初めてだし…」
「そうでもないと思うよ。」
「はい?」
「ごおちゃん、たぶんめちゃめちゃ緊張してると思う。」
「まさか。」
「明日ごおちゃんに聞いてみなよ。じゃあ頑張ってね!お疲れ!」
ももこは意味深な笑みを浮かべ部室を後にした。