第7章 Class5.ごーくんのライバルは誰!?の巻
「苦しいのは、センパイだけじゃない。あたしだって苦しかった。」
ももこが俯いたまま呟いた。
「ごおちゃんのことだけじゃないの。前に言ったでしょ?センパイは有名人だから、あることないこと噂たてられたら困るって。自分が何か言われるのはガマンできる。でも、センパイのこと悪く言われるのだけは、絶対ヤなの!あたしみたいのが彼女で、変な噂が流れて、センパイの副会長って立場が汚れるようなことになったらどうしようって。あたし、自分に自信ないから。あたしなんかがセンパイの彼女で本当にいいのかなって…」
「……バカだなぁ。」
博は大きく溜め息をついた後、そう言って優しく笑った。
「俺滅多に人に『バカ』なんて言わないよ?でも、やっぱももちゃんはバカだ。」
「センパイ!」
ももこが膨れるのを見て、博がようやく笑顔になった。
「悩んでるならちゃんとそう言ってよ。黙っててもわかんないよ。何でいつも俺のこと頼りにしてくれないかなぁ。俺そんな頼りない?」
ももこが大きく横に首を振る。
「言いたい奴には言わせておけばいい。ていうか、俺の方こそももちゃんを悪く言う奴は絶対に許さない!俺が守るって言ったろ?」
ももこが静かに頷く。