第21章 Class12.それぞれの夜★の巻
休み時間に入り、健の元へ集まる一行。
「様子見に行かなくていいの?」
「なんかおれ、嫌われちゃったみたいだから。」
しゅんと落ち込む健。
「でも、昨日…」
「ももちゃん、行こう。」
さやかがももこの腕を引っ張って教室を出て行く。
そんな健の様子を見て准一が健の元へと歩み寄る。
「昨日何かあったの?」
「え?いや、何もないけど…あったっちゃあったけど…」
「どっちだよ!」
「何だ、とうとうヤったのか。」
剛がポツリと呟く。
「だからか。」
「何だよ?」
「きょうこちゃん、怒ってるっていうより、恥ずかしがってるみたいだったけど。顔赤かったのも健くんと話すのがまだ照れくさかったんじゃないの?」
「昨日帰る時はフツーだったのか?」
「う~ん、昨日はおれも恥ずかしかったからちょっとぎこちないカンジだったけど…」
「女子の気持ちとかよくわかんないけど、きょうこちゃんはまだ健くんと顔合わせるの恥ずかしいのかもよ。」
「そうだな。どういう顔したらいいのかわかんないのかもな。」
准一の意見に快彦も賛同する。
「しばらくそっとしておけば?」
「うん…」
「ダイジョブだよ!変なこととかしてないんだろ?」
「たぶん…」
「だったらきょうこから話してくれるの待つしかないんじゃね?」