第20章 オマケページ剛篇 手紙
「剛先輩…」
「んっ!」
「え?」
オレは不器用に折ったルーズリーフの手紙を無理矢理渡すと教室を後にした。
「ちょっとちえ~!森田センパイに何もらったの~!?」
教室の騒ぎ声はしばらく歩いても聞こえてきた。
手紙の内容はこうだ。
“チョコありがとう。
それから、今までの手紙も。
いつもあの手紙に励まされてた。
だからオレも手紙で気持ちを伝えようと思って。
手紙なんて初めて書くから上手く伝えられる自信ないけど大目に見ろよ!
誕生日欲しいものないかって聞いたな?
だったらその日は一日オレに付き合え!”
そして最後に連絡先を書いた。
彼女が恋愛経験の少ないオレを受け入れてくれるのか不安だけど、やっと見つけたのに後悔はしたくない。
あとは信じるしかないんだ。
オレは手紙を渡した後の帰り道、いつ電話が掛かって来てもいいように、ずっとケータイを握りしめていた。
その手は汗でびっしょり。
このオレ様をこんなにドキドキさせるとは、たいした女じゃねぇか!