第20章 オマケページ剛篇 手紙
「ももこ!レターセット持ってるか!?」
オレは慌てて教室に戻り、ももこに聞いた。
「ないよ~。」
「チョコに付ける手紙とかで使わなかったのかよ!」
「カードだもん。ルーズリーフならあるけど…」
「それでいいや!早くよこせよ!」
「もぅ、何なの!?」
そうして渋々差し出したももこの手から、乱暴にルーズリーフを取った。
「どうしたの?」
「話しかけんな!」
まさかあのコが手紙のコだったなんて…
オレは何故か手紙を書くことしか思いつかなかった。理由はわからない。
誰かに手紙を書くなんて初めてで、オレは昼休みを丸々使ってしまった。
そして5限目が終わりすぐさま席を立つ。
「あのコのクラスってどこ!?」
「あのコって?」
「オマエの後輩だよ!」
「ちえ?1年D組だけど…」
そしてすぐダッシュ!
「何なの?」
教室を抜け階段を駆け上がり、1年の教室へ向かう。
その間のチョコを手にした女子は全員無視だ!
D組の教室の前でキャーキャー言っている女子に訪ねる。
「ちえってコ、いる?」
女子達は動揺しながらもちえを呼ぶ。
「ちえちゃん、森田先輩が…」
オレは待ちきれずその視線の先へ向かった。
「キャーッ!」
「ゴウ先輩!」
「かっこいい~!」
教室に入ると女子達が騒ぎ出す。
そんなもの気にせずちえの元へと歩み寄った。