第2章 Class2.memoly
「あっ!ももちここにいたぁ!」
大声を出して生徒会室にズカズカ入って来たのは、彼女と同じクラスの三宅健。
「も~!いつまでも落ち込んでたってしょうがないじゃん!今みんなでリズム4ゲームやってるからももちも一緒に遊ぼ~よ~!」
「ケンケン一人でやって…」
「一人じゃできないよ~!みんな心配してるよ。特に剛が。」
「うるさいなぁ。一人にしてよ。」
三宅健が泣きそうな顔をしながらしょんぼり生徒会室を出て行く。
そんな彼女も次の日にはケロッと元気になっているのである。
結局一時の乙女心だったようだ。
そして夏休み前の学園祭が近づく。
この学園では後夜祭に2クラス混合で肝試しをやる。
この2クラスは学年は関係ない。学園全体での交流をと学園長が決めたこと。そこからカップルになった者は何組もいる。
俺は奇跡的に彼女のクラスと組むことになった。
だがペアは後夜祭直前のくじ引きで決まる。
彼女は以前から肝試しをやたらと嫌がっていたが、俺はその時は怖がりで可愛いなぐらいにしか思っていなかった。
運命のくじ引きが始まる。
ペアは先生が番号を呼ぶ時に初めて顔を合わせることになるので出発する番が来るまではわからない。
くじを引く手が震える。
引いたカードは47番。
―最後のほうか―
辞退する生徒もいるため、参加人数は結構減る。
特に既に彼氏彼女のいる生徒は参加しないことが多い。
言わば恋のきっかけ作りで参加する生徒も多いってわけだ。