• テキストサイズ

High School

第15章 Class9.聖なる夜に★の巻


「だから、彼女とはそんなに…数えられるくらいしか…」
「ここで?このベッドで?」
悲しそうに聞くももこの目に、博は何も言えなくなってしまった。
「イヤ!」
「え?」
「あたしは初めてなのにセンパイは初めてじゃないとかそんなのイヤ!」



「バッカじゃないの!」
翌日の終業式。昨日の出来事を話したももこはきょうこに朝っぱらから怒鳴られた。
「まぁまぁ。」
そんなきょうこをさやかが宥める。
「あんな優しくてステキな人がももちが初めて付き合う相手なわけないでしょ!もう高3だよ!18だよ!経験の一つや二つあって当たり前でしょ!大体ね、あたし達がせっかく気を遣って二人きりにしてあげようと思って早く帰ったのに、それを無駄にするなんて。あり得ない!もう終わりだね!アンタ達!」
ももこはただ仏頂面をして黙っている。
「ったく、昔の彼女に嫉妬してどうすんの!?ももちは純粋すぎるの!あんなモテる人が童貞なわけないでしょうが!」
「違うもん!」
ももこは顔を上げてきょうこに言い返した。
「本当はそんなことが理由じゃない!あたしだって、センパイのこと受け入れたいよ。でも、いざそうなると、怖くて体の震えが止まらなくなるんだもん。怖いんだもん…」
今にも泣きそうなももこの背中を、さやかがそっと撫でた。
/ 146ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp