第15章 Class9.聖なる夜に★の巻
「なら、先輩にそう言わなきゃ。」
「でも、それでめんどくさいとか思われたら…」
「先輩ってそういう人なの?」
さやかの問いに、大きく首を振るももこ。
「じゃあ、ちゃんと伝えなきゃ。本当は何がイヤか。何が怖いか。本当にももちゃんのことが好きなら、ちゃんと受け止めてくれるよ。長野先輩なら大丈夫。だってももちゃんが寝てる時、凄く愛しそうにももちゃんのこと話すんだもん。それ見てたらさ、幸せになってほしいって思うじゃん。本当は初めてのイヴ二人で過ごしたかったはずなのに、ろくに話したこともない私達のお願い訊いてくれるんだもん。ももちゃんの友達だからだと思うんだ。だからせめてクリスマスは二人で過ごしてほしかったの。ももちゃんには黙って帰って申し訳なかったと思う。でも、先輩はずっと我慢してきたんだろうなって。先輩なら大丈夫だと思ったから私達帰ったんだからね。もっと先輩のこと、自分が好きになった人のこと信じてあげて。」
「ももちごめん。言い過ぎた。」
「誰だって初めては怖いもんだよ。だからその気持ちを伝えて、少しでも不安を消さなくっちゃ。」
「まだ、間に合うかな?」
「センパイならきっと…ううん!絶対話聞いてくれる!」
さやかときょうこに励まされ、ももこは博に本当の気持ちを伝える決心をした。