第15章 Class9.聖なる夜に★の巻
その頃健ときょうこは抜け駆けに成功しちょっとした高台で夜景を見ていた。
「見て健チャン!夜景キレイだよ!」
「ホントだね!」
健はきょうこの手を優しく繋いだ。
そして顔を近づける。
「健チャンっ!」
きょうこが思わず顔を遠ざける。
「ダメ?」
不安そうに尋ねる健の瞳を見たら、抵抗なんてできなかった。微かに首を横に振り、それを確認した健は再び顔を近づける。
恋人同士になって初めてのキス。健には待ちに待ったキスだった。
「アイツら遅くね?」
博の家で二人の帰りを待つメンバーは待ちくたびれていた。
「どっかでチュッチュしてんじゃないの~?」
「ムカつくなっ!」
「剛くんて何でそんなに人の幸せが妬ましいわけ?」
「別にそんなんじゃねぇけど…」
「健くんは付き合ってから全然キスさせてもらえないことに悩んでて、きょうこちゃんは進むのが怖くて悩んでて、なんか可愛いよね。」
「健も童貞だからな~。」
「えっ!そうなの!?」
「あぁ。彼女いたことはあるけどすぐ別れてたし。キスはしたことあると思うんだけどさ。」
「そうなんだ~。」
「元副会長はヤったんスか?コイツと。」
そう言って剛は寝ているももこを指差す。
「なっ何だよ急にっ!ヤったって何だよ!ヤったとか言うなよ!」
「はは~ん。まだだな。」
剛は勝ったとばかりに企み笑顔をしてみせた。