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男子校に花

第1章 運命の出会い


仕事に入って数時間後
外を見ると茜空になっている
その間、ずっと彼は眠っていた
この学園は全寮でここから寮まで結構時間が
かかるからそろそろ起こさないといけない
そっと彼に近づき起こす


『ねぇ、そろそろ起きて
鍵閉めないといけないから』
「ん…お姫様からのキスじゃないと目覚めない」


瞬間、彼に引っ張られ唇が触れた
初めての感触にドキドキする
寝ぼけているのだろうか?
彼が目を覚めた瞬間、パッとあたしから離れ
周りをキョロキョロする


「…あれ?俺どうしてここに…
てか、あなた誰?てっきり俺は愛先生かと…」
『その愛先生じゃなくて悪かったわね
早く寮に戻りなさいよ』


全く、最近の高校生は誰でもキスするの?
美形の彼にドキドキした自分がバカみたい
キッと睨んでるとガラガラと扉が開いた


「あー、柊羽♡こんなところにいたー
一緒に寮に帰ろうと思ったらどこにもいないもん
あれ、あなた新人の先生じゃない
名前、なんていうの?」


いきなり入ってきてなんでタメ口なの?この子は
それにあたしを見た瞬間、明らかに嫌そうな表情してるし…
反論したところで解決しないよね
はぁ…この学園に来て嫌なことばかり起こるよ
半分諦め状態になりながら彼女に話しかける
ジーッとあたしを見る彼女


『あたしはよ
その愛先生?は別の学校に派遣されたみたいよ
あなたは?』
「ふーん…普通の容姿をしてるわね
私は小早川愛梨
そこにいる彼、芦田柊羽は私の恋人なの
手を出さないでくれる?」
「…勝手に小早川の彼女にしないでくれる?
一言も好きって言ってないだろ
それに付き合ってもいない」
「ひどっ!でもそんな柊羽も好き~♡
正直、愛先生が派遣されてよかったよ
あの人、柊羽を狙ってたからねぇ
柊羽の恋人は私だけなの」


…目の前の光景に言葉を失ってしまう
一体、何が起こってるの?
とにかくここから離れないといけないような気がして
そっと保健室を出た
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