第7章 巻き込まれた(?)GW
私は、差し出された数珠を見ながら、首を振った。
「これって結構本物っぽいから、身を守ってくれると思う。気休めかもしれないけど、持ってって下さい」
「は?」
私は曖昧に笑った。
「助けて貰ったお礼です」
そう言うと、夜リクオ君は顎に手を当てると何かを思い出すように無言で私を見た。
何故かその視線に、心臓が騒ぎだす。
ん? これって、なに?
内心首を傾げていると、夜リクオ君は数珠を懐の中にしまい、ニッと口元を上げた。
「サンキュ」
そして、すれ違いざま、頭にポンッと手を置かれる。
その感触に心臓がまたドキッと跳ね上がった。
振り向くと、リクオ君は頂上にある牛鬼の屋敷に向かって、石段を上がって行く。
その背中がすごく頼もしく思えて、そしてとても格好良く見えた。
怪我しないよう、頑張って!
私は心の中でエールを送った。